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忘れっぽいので備忘録ついでに

パールイズミ スリップオングローブ 2018春夏

 

 

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パールイズミ スリップオングローブ 2018春夏


 パールイズミの新作スリップオングローブをwebで見かけたとき、

こんなツイートをしました。

そしてこちらが4日後のツイートです。

新作なので近場の店舗には当然在庫が無く、取り寄せを待っていることもできないので唯一即納と思われたAmazonで購入する急ぎっぷり。(5/17鹿児島のDEPOにはありました)

とりあえず200kmのノンストップライドと100kmの通常ライド(共に軽いスプリント多数あり)で使用してのインプレです。 

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掌側
 最近流行りのスリップオン(固定用のベルクロ無し)のロングカフで、パッドは補強のみでGELなどは無しです。
知る限り最初にこのタイプのグローブを発売したのはカステリでベルクロの出っ張りが無いことによる空気抵抗削減をアピールして、エアロレースグローブという商品名でした(パッド有り)
しかし通常のグローブよりやや高額なことやエアログローブ特有のデメリットなどによってか売り上げが伸びなかったのか、供給チームであるGARMIN(SLIP STREAM)で一部選手が使用しているにも関わらずラインナップから消えてしまいました(2018 TEAM SKY供給モデルで販売復活)
 
そして近年では国内グローブ市場最も流行ったと思われる国内メーカー OGK kabutoのPRG-6。こちらもロングカフによる空気抵抗削減をアピールしており、掌側のパッドは無しという仕様。
そのダイレクトな感覚やロングカフによる優れたフィット感などにより国内プロや一般レーサーから支持を集めているようです。
こちらは私も発売後すぐに購入し1年のうちハーフフィンガーが使える気温の実走では使用し続けたので7000km程は使ったと思いますので今回はPRG-6との比較記事でもあります。
 
PRG-6の成功やグランツールを走る海外トッププロへ供給するメーカーにエアログローブが続々と増えてきたからでしょうか、遂にパールイズミが2018 春夏モデルとして発売した(告知が全然無かった)のが新作スリップオングローブです。
(パールイズミは以前PRG-6に似た形状のグローブを出していますがどうだったのでしょう)

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PRG-6との比較

見てもわかる通り、PRG-6よりも明らかにカフが長いですが、これはスリップオングローブが長いのではなくどちらかというとPRG-6が短いです(カステリ基準)。 実はここに1つ目のポイントがあり、カフが短めのPRG-6では少しばかり収まりが悪いです。

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装着するとその差は歴然
PRG-6では手首あたりにシワがいくらかありますがスリップオングローブでは(黒くて分かりづらいですが)あまりありませんのでエアロ効果も間違いなく上です(どうせどのグローブも手首を曲げるとシワだらけですが...)
これはスリップオングローブは手首周りの生地の処理がしっかりとされていること(太さや切り返しなど)と、PRG-6と比べてハリのある生地だからです。
しかし面白いことにパールイズミはこのグローブについて空気抵抗削減をアピールしていません。  これは乗車姿勢において手が1番身体の中で前にあるということで確実にエアロ効果を発揮していると思われるものの、その効果は恐らく極小さく、また実証データも出回っていないことと関係しているかもしれません。 
パールイズミはこのグローブについて空気抵抗についてアピールしていませんが代わりに日焼け防止になるとアピール。 
ロングカフのグローブが日焼け防止になるというのは、日焼けを避けてアームカバーを装着したときに手首部分でグローブと隙間が空いてしまい日焼けするのを防げるということで女性用の春夏用ロングフィンガーではよく採用されているようでポピュラーな仕様です。  
装着したときに感じるのは評価の高いPRG-6よりもさらに優れたフィット感です。  これについては掌側だけでなく甲側の生地の違いも影響しており、同じライクラ系の伸びる生地ですがスリップオングローブのほうが少しばかり厚くハリのある堅めの生地でできています。反対にPRG-6は非常に柔らかい生地です。
 
掌側の生地は薄くて非常に柔らかく、少しカサつき硬めなPRG-6(硬いのは新品時だけですぐにある程度柔らかくなる)とは逆でとてもサラサラしています。
これは帝人製のナノフロントという髪の毛の数千分の一の太さの繊維を採用していることによるもののようです。
このナノフロントは実走時にとても大きな威力を発揮し、手を軽く置いているだけではほどよいグリップ感ですが、ひとたび握り込むとなんと掌にクラリーノを採用しシリコングリッパーを備えているPRG-6よりもグリップ力を発揮しズレる気配がありません。
また、使用していて汗などで湿るととにかくグッとグリップする質感です。
スリップオングローブのグリップ力は本当に素晴らしくバーテープどころかビニールテープの上でも滑らない。
 
次に汗ふき用のパッド部分ですが、PRG-6は面積こそとても広いですが、相当使用して未だにあまり汗を吸ってくれないことと比べ、スリップオングローブのものは新品でもかなりの吸水性を見せてくれ、とても使いやすいです。
 
そしてこれは直接の性能にはあまり関係ないのですが重要で、スリップオングローブは生地の縫い合わせ部分に補強用に違う材質が混ざっていたり、とにかく手間がかかっていて、いかにもほつれにくそうで耐久性に期待がもてます。価格はあまり高いほうではないですが、凄まじいコストというか手間です。
ちなみにPRG-6は使用1回目で手首周りがほつれ、数ヶ月後に親指の先端の縫い合わせがほつれました。
 
今のところ良かった点だけを書いていますが今度はネガ、良くない点を書いていきます。
私が使用していて気になるのは一つだけですが、エアログローブ特有のデメリットで、とにかく脱ぎにくいです。
PRG-6はまだかなりマシで、慣れてからは濡れて貼り付いても大体20秒もあれば脱げましたが、スリップオングローブは手首部分が絞られておりしっかりとした生地なうえ長いのでさらに脱ぎにくいです。

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取り外しやすいという盛大な虚偽申告
次に、当たり前ですが一般的なグローブと比べると手首が覆われている分少しだけ暑いですが、些細な差で正直気になったことはありません。
そして性能には関係がなくても個人的には結構な問題なんですが、ブラック、ホワイト、レッドのカラーバリエーションがあるのにSサイズはブラックでしか選べません。売上は悪いかもしれませんが日本企業として小さいサイズをないがしろにするのは残念です。
その点についてkabutoはPRG-6でほぼ同サイズのSでは全色用意されており、色は限定されますがXSサイズもあります。(日焼けによる退色が結構あるのですがパールイズミはどれほどもつのでしょう)
 
最後に、個人的な評価ですが実際に使用している時の感覚のほとんどが優れていると感じるのでとにかく買ってよかったな、という商品でした。
耐久度についてはまだ未知数ですが、期待できますね。
 
余談ですが、取り外しやすいように甲側に比べ掌側の指先の生地が長めになっておりつまんで引っ張ることで取り外しやすくなる、ということなのですが正直指に余分に当たって(個人的には)不快なうえそんなもの付いていなくても普通につまめるのでほつれないよう気をつけつつ切り落としました。